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検査技師の窓口
お金のこと

臨床検査技師が
年収1000万円を目指す
5つの道

けいた公開 更新

臨床検査技師で年収1000万円を目指したい。一度は思ったこと、ありませんか?

もしそれが可能だとしたら、どうしますか? 挑戦してみるのも、ありだと思うんですよね。

ただ、やみくもに動いても届きません。どの道があって、それぞれ何が要るのかを整理しました。

届くのは1%。その1%に入る道が5つあります。

みき

正直、1000万円なんて別世界の話だと思ってました。本当に道はあるんですか?

けいた

実際にもらっている検査技師は、ほぼいません。ただ、目指す方法はあります。

この記事でわかること

  • 必要なのは月給61万7千円から(賞与の月数で変わる)
  • 道は5つ。病院で上に行く、企業に移る、自分で開く、大学に残る、掛け持ちで稼ぐ
  • どれも、検査室の仕事だけでは届かない

道は大きく5つ

  1. STEP1病院や検査センターで、上に行く技師長、その先の経営。いま検査室にいる人が、そのままの延長で狙える道です。
  2. STEP2企業に移って、管理職になる医療機器メーカー、製薬、治験。現場を知っていることが強みになります。
  3. STEP3自分で衛生検査所を開く検体検査を仕事として行う場所には、都道府県知事の登録が要ります。
  4. STEP4大学に残って、教授を目指す博士号と論文の積み重ね。時間はいちばんかかります。
  5. STEP5掛け持ちで稼ぐ常勤をやめて、複数の病院を回る。エコーができる人に多い形です。
みき

思ったより幅がありますね!

けいた

はい。ただ、どれも検査室の中の仕事だけでは届きません。そこは先に言っておきます。

病院で上に行く

いちばん人数が多い道です。主任、技師長と上がって、その先で経営に関わるところまで行けるかどうか。

給料の表を見ると、50代で金額が上がります。55〜59歳が619万1千円でいちばん高い。役職がつく人が出てくるからだと思います。

ただ、技師長になったら1000万円、という話ではありません。法人の大きさで水準がそもそも違うからです。1000人以上の法人と100〜999人の法人で、年収は71万円ちがいました。

つまり、大きい法人で上に行くのが条件になります。

注意

役職別の年収を出した公的な統計はありません。「大学病院の技師長なら1000万円」という話をよく見ますが、金額が確かめられる資料は見つかりませんでした。ここは求人票を見るか、実際にその立場にいる人に聞くしかないところです。

企業に移る

医療機器メーカーや製薬会社、治験に関わる会社に移る道です。

現場を知っている人は評価されます。機器の使い方を病院に説明する仕事なら、検査室にいた経験がそのまま武器になります。

そこから部門長や役員まで上がれるかどうか、というのがこの道の勝負どころです。

治験の道は段階が決まっていて、まず治験コーディネーターとして経験を積み、そこから臨床開発モニターへ、という順番で進みます。いきなり上の会社に入るのは難しい、という話をよく見ます。

けいた

どの道も、若いうちのほうが入りやすいのは確かです。20代から30代前半で動く人が多い印象ですね。

自分で開く

いわゆる検査センターを自分でやるという道です。法律では「衛生検査所」と呼ばれています。

病院やクリニックから検体が送られてきて、それを測って、結果を返す。その仕事を引き受ける場所のことです。機械を買って、場所を用意して、人を雇って回すことになります。

法律の作りがおもしろくて、病院や診療所の中は衛生検査所に含まれません

衛生検査所(検体検査を業として行う場所(病院、診療所、助産所又は厚生労働大臣が定める施設内の場所を除く。)をいう。)を開設しようとする者は、(中略)その衛生検査所の所在地の都道府県知事(中略)の登録を受けなければならない

つまり、病院の外で検体検査を引き受けるなら、都道府県知事の登録が要るということです。構造設備、管理組織、検査の精度をどう保つか。これらが基準に合っていないと登録されません。

臨床検査技師等に関する法律 第20条の3(e-Gov法令検索)

元データ

みき

検査そのものより、経営の話になりそうですね。

けいた

そうなんです。検査ができることに加えて、設備と人とお金を回す側になります。5つの中ではいちばん重たい道だと思います。

大学に残る

養成校の教員になる道です。臨床検査技師を育てる側に回ります。

ただ、教員は授業だけをしていればいいわけではありません。教育と研究の両方をやることになります。学生を教えながら、自分の研究を進めて、論文を書く。この2つを同時に回し続ける仕事です。

入口には博士号が要ります。大学院に進むか、病院で働きながら研究して学会や論文で実績を出すか。大学病院で経験を積んでから、助手として大学に移る人もいます。

そこから先は、論文を出し続けられるかどうか。そしてポストが空くかどうかです。数が限られているので、実力だけでなくタイミングもあります。

掛け持ちで稼ぐ

常勤をやめて、複数の病院を回るという道もあります。エコーができる人だと、この形で働いている人がいます。

統計で見ると、非常勤で働く臨床検査技師の時給は2,809円でした。看護師の非常勤が1,933円なので、880円ほど高い。診療放射線技師(2,791円)ともほぼ同じです。

非常勤の時給くらべ(令和7年)
職種時給
医師12,711円
臨床検査技師2,809円
診療放射線技師2,791円
薬剤師2,540円
看護師1,933円

厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査(短時間労働者・職種別1時間当たり所定内給与額)。

元データ

ただ、この時給で1000万円に届かせるとなると、計算はなかなか厳しいです。週5日・1日8時間で1年働いても584万円。1000万円には時給4,800円くらいが必要になります。

つまりこの道は、時給がどこまで付くかがすべてです。そして、ここがいちばん大事なところなんですが、条件のいい仕事は求人サイトを見ていても出てきません。

資格はどこで効くのか

みき

資格を取るっていう道はないんですか? 超音波検査士とか細胞検査士とか、取れば上がるのかなと思っていました。

けいた

そこ、よく聞かれます。ただ、5つのなかに資格を入れなかったのには理由があるんです。

資格は、いまの職場の給料を上げるものというより、次の職場に移るための切符なんですよね。

上の5つはどれも「移る」か「上がる」かの話でした。その入口に立つために資格が要る、という順番で考えたほうが、たぶん外しません。

お金以外の話

ここまで金額の話をしてきましたが、ひとつだけ添えておきたいことがあります。

どの道にも共通すること

5つ並べてみて、共通していることがあります。どれも、検査室の仕事だけでは届かないということです。

技師長なら人をまとめる力と経営、企業なら説明する力、開設なら経営、大学なら書く力、掛け持ちなら人とのつながり。検査ができることは前提で、そこから先は別の力が要ります。

  1. STEP1まず、どの道かを決める5つは求められる力がまったく違います。全部を同時には狙えません。
  2. STEP2賞与の月数を確認するどの道でも、賞与が4.2か月分あるかどうかで年収は100万円以上変わります。
  3. STEP3検査以外の仕事を取りに行くシステム、精度管理、機器の立ち上げ、教育。手を挙げた人のところに残ります。

賞与4.2か月分は国立病院機構 近畿グループの公表値。

元データ

実際にそこへ届いている人が何人いるのかは、別の記事で数えました。現実の側から見ておきたい人は、そちらもどうぞ。

5つの道

  • 病院や検査センターで上に行く。いまの延長で狙えるのはここだけ
  • 企業に移って管理職になる。若いうちのほうが入りやすい
  • 検査センターを自分でやる(衛生検査所)。都道府県知事の登録が要る
  • 大学に残る。博士号と論文の積み重ね
  • 掛け持ちで稼ぐ。条件のいい仕事は求人に出ず、紹介で回ってくる
  • 「病院にいる限り1000万円は難しい」と書いている現役の技師もいる
  • どの道も、検査室の仕事だけでは届かない

よくある質問

Qいちばん現実的なのはどれですか?

病院か検査センターで役職に乗る道だと思います。ほかの道は、博士号が要ったり、都道府県知事の登録が要ったりと、入口のところで絞られます。

Q副業で足すのはどうですか?

本業と合わせて1000万円という考え方はできます。ただ、勤め先が副業を認めているかを先に確認してください。公務員や公的病院だと、そもそもできないことがあります。

Q今から始めて間に合いますか?

年齢によります。ただ、役職に乗る道なら40代から動く人もいますし、企業に移るなら20代から30代前半のほうが入りやすいです。どの道を狙うかで、動く時期が変わります。

けいた

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、あなたの場合はどうなのかを見ておきませんか。

給料の話は、
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この記事を書いた人

けいた

臨床検査技師/30代・男

検体検査からはじめて、いまはエコー。心電図検定1級・心電図専門士・超音波検査士(循環器)を持っています。カテーテル室も救急も、ひととおりやってきました。医療従事者向けの心電図講座も運営しています。

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